サーボモーターは、モーター単体を指すものではなく、駆動部のモーターに加えて、サーボアンプなどを組み合わせた”サーボ制御を目的としたモータードライブシステム”のことです。
指示通りの位置、速度などを正確に”制御”することができ、産業機械やロボットなどで広く使用されています。
東邦発条で使用している機械ではサーボプレスマシン、NCフォーミングマシン、ワイヤーフォーミングマシン、NC工作機械などがあります。
サーボモーターとはフィードバック信号で制御される電磁モーターを中心としたモータードライブシステムのことを指します。動いたり、止まったりといった動作を高精度で可能にします。
機構的には指令部(上位コントローラー)、制御部(サーボアンプ)と駆動部(モーター)で構成されており、エンコーダー(検出器)からのフィードバック信号で制御される「電磁モーターを中心としたモータードライブシステム」です。
◎上位コントローラー(指令部):サーボドライブに動作を指示するためのコントローラー。
◎サーボアンプ(制御部): エンコーダーからのフィードバック信号をやり取りし、適切な電力を供給するための制御命令を生成する。
◎駆動部(モーター含む): 駆動力を提供しつつ、エンコーダーで現在の速度や位置を検出し、制御システムに情報のフィードバックも行います。
◎DCサーボ: 直流で駆動するDCモーターを使用しており、小型で低価格ですが、ブラシのメンテナンスが必要です。
◎ACサーボ: 交流で駆動し、現在主流のモーターです。高出力、高精度で動作が可能だが構造が複雑です。一般的にはブラシレスです。
制御モーターとは正確には制御可能な”モータードライブシステム”のことで制御方式の違いによって「サーボモーター(DC、AC)」や「インバータモーター(AC)」、「ステッピングモーター」などが存在します。
一般的にはモーター単体を指すわけではないため、駆動部として使用する電磁モーターは様々ですが、サーボモーターとしては「DC(直流)モーター」、「AC(交流)モーター」などが使われます。
ここではサーボモーターの駆動部として使われる電磁モーターである「DC(直流)モーター」、「AC(交流)モーター」について基本的な内容を解説します。
DCモーターには、ブラシ(電極)の有無により「ブラシ付きモーター」と「ブラシレスモーター」があります。
DCモーターでは「ブラシ付きモーター」が一般的です。構造としては整流子を含んだ回転する”回転子(ロータ)”とブラシと永久磁石を含む”ステータ”で構成されています。ブラシに電流を流し、ブラシと接触している整流子を介して、電流方向を制御しながら回転子を回転させるという仕組みです。
一方で「ブラシレスDCモーター」は、磁石自体が回転子となっている特殊なモーターです。詳しくは「ブラシレスモーター(BLDC)の立ち位置|中間的なソリューション」で解説します。
交流(AC)モーターは、交流電源を利用して回転を発生させるモーターです。”インダクションモーター”とも呼ばれ、DCモーターに比べると変換器や追加の電源装置を必要とせず構造がシンプルで堅牢であり、大型化が可能といった特徴があります。
交流(AC)モーターには、誘導モーター(非同期モーター)、「同期モーター」の主要な2タイプが存在します。
「誘導モーター(非同期モーター)」は、ステーターからの磁場によって回転子に電流が誘導されることで回転するモーターです。構造が単純で耐久性に優れており、メンテナンスが容易なため、多くの産業用途や家庭用電化製品に使用されています。
「同期モーター」は電源の周波数に同期して回転するモーターで、速度が負荷の変動に影響されにくく、定速運転に優れます。高精度での速度制御が必要な場合や、一定の速度を維持する必要がある場合に適しています。
サーボモータやインバータモータがモーターからの情報をフィードバック制御をするのに対し、ステッピングモーターは回転するための信号の入力数値で制御します。
構造がシンプルでエンコーダーが不要なため、サーボモーターに比べて低コストという特徴があります。一方で高回転ではトルクが著しく落ちるため、素早い動作は得意とはいえません。
「金属加工で金型やパーツを作りたいけど、何を聞けばいいかわからない…「納期や価格はどうなんだろう…」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そのお悩み、私たち東邦発条に相談してみませんか?
昭和24年創業の東邦発条は、激動の時代を乗り越え、様々な金属加工製品を世に送り出してきました。
お取引先様も大手自動車メーカー様から町工場のお客様まで幅広いクライアントに対応してきた実績もあります。
\ぜひ、1分で完了する無料のオンラインフォームからお問い合わせください。/
サーボモーターは動作する電源方式によりAC(交流)とDC(直流)が存在し、サーボアンプ制御により高精細な位置、速度の制御を可能にするモータードライブシステムです。
一方でインバータモーターは交流(AC)電力を使って、任意の電圧や周波数に変換するインバータ装置により制御を行うモータードライブシステムです。
サーボモーターとインバーターモーターの主な違いは制御の特長であるといえます。ここでは双方のモーターについて比較を交えて解説します。
インバーターモーターは交流(AC)電力を、任意の電圧や周波数に変換する装置である”インバーター”を使用して制御します。
PWM(パルス幅変調)により直流電力を細かくオン・オフすることで短冊状のパルス信号を生成し、その時間幅を調整して交流の波形を構成します。 この仕組みによりインバーターモーターは電圧と周波数を自在に制御し、効率的かつ正確な動作を実現します。
サーボモーターが動いたり止まったりを繰り返す動きや高精度でのトルク制御や位置制御を得意とするのに対し、インバーターモーターでは大容量のモーターでも安定した”速度”を保って駆動させることを得意としています。電気自動車の動力源としても広く使用されています。
「 サーボモーター」は高精度でのトルク制御、位置制御に強みを持っています。ACサーボでの停止精度 1μmは、ヒトの髪の毛1本分の大きさに相当します。
”動かして止めるを繰り返す”、”一定のトルクを出力する”などを高い精度で実現することが可能なため、高精度な加工能力が求められる工作機械などに広く用いられます。弊社で使用するプレスマシン、フォーミングマシンといった工作機械にもサーボモーターを搭載した機械が多くあり、高品質な製品の製造に役立っています。
一方で「インバーターモーター」では大きな電力を扱うことができ、速度制御に強みを持っています。その特徴を活かして自動車などの動力源としても広く用いられています。
高精度な制御を可能にするサーボモーターは質量が同等であればインバータモーターの上位互換とも言えますのでコストもインバータモーターより高くなる傾向にあります。
一方でインバーターモーターでは可変周波数ドライブ(VFD)を使用してモーターの回転速度を調整できるため、電力消費量を効率的に抑えられます。省エネ性能ではサーボモータよりインバーターモーターが優れており、家庭用のエアコンなどでもその省エネ効果が発揮されています。
また、昨今ではコイル部に”巻線コイル”ではなく、束ねた角型の導線を集積させてコイルとする”セグメントコイル”を使用するモーターも注目されています。巻線に比べるとコイル部の密度(集積度)が高く、ロスする電力を減らせるという省エネにもつながるメリットを持っており、今後様々なモーターシステムに取り入れられる可能性を秘めています。
現在、東邦発条でも”セグメントコイル”の製造には特に力を入れています。
一般的なブラシ付きDCモーターと異なり、電流を流す”ブラシが存在しない”「ブラシレスDCモーター(以降BLDC)」とはどのような構造なのでしょうか。
ここではその制御方式や特徴について解説していきます。
BLDCとは簡単にいうと、回転子の方に永久磁石が付いているモーターになります。ブラシ付きと異なり、回転子にコイルがないので回転子に電流を流す必要がありません。
一方で整流子もブラシも持たないので、回転を制御するためにはコイルに与える電流の方向とタイミングを制御する必要があります。そのための制御にはインバータ回路が用いられます。
ですからBLDCはインバータでの駆動制御を行うモーターということになりますが、BLDCでは磁石そのものが回転子になっているという特徴があります。
フィードバック信号を常に比較してモーターへの印加電圧を調整することができるので、低速から高速まで安定した速度で回転させることに加えて回転子に永久磁石を使用しているため、薄型でも大きなパワーを得やすく、 製品の小型化・薄型化がしやすいという大きなメリットがあります。
サーボ、インバーターの2つの制御方式のモーターにはコストや省エネ性能など様々な特徴や違いがあります。
例えば、高精度位置決めが必要な産業用ロボット・CNC工作機械であればサーボモーターの特徴が活きると考えられます。
その他、搬送・包装ラインなど速度制御重視の設備であればインバータモーター、省エネ・コスト重視の一般産業機械や家庭用家電製品などでもインバーターモーターにより省エネ化が実現できるかもしれません。
このようにモーターの種類を求められる能力や特徴によって正しく選択することが重要です。
「金属加工で金型やパーツを作りたいけど、何を聞けばいいかわからない…「納期や価格はどうなんだろう…」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そのお悩み、私たち東邦発条に相談してみませんか?
昭和24年創業の東邦発条は、激動の時代を乗り越え、様々な金属加工製品を世に送り出してきました。
お取引先様も大手自動車メーカー様から町工場のお客様まで幅広いクライアントに対応してきた実績もあります。
\ぜひ、1分で完了する無料のオンラインフォームからお問い合わせください。/
本コラムでは電磁モーターの基礎からサーボモーター(ドライブシステム)を中心とした速度やトルク、位置制御に特徴を持つ”制御モーター”について解説してきました。
電磁モーターにも電源(通電方式)、ブラシの有無、回転子といった構造や特徴を決める複数の要素があり、制御方式も様々ですが、その違いがご理解いただけたかと思います。
近年では自動車の電気化が大きな話題にもなり、モーターには未だかつてないほど大きな注目が集まっています。
本コラムが身近な動力源でもあるモーターについて少しでも理解を深める一助となれば幸いです。