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2025.05.30

「製造業界に欠かせない金属加工業とは?加工方法や技術毎の特徴や違いをご紹介!」

金属加工業界は、金属加工業、金属製品製造業、鉄鋼業に大別され、私たちの身近な製品から自動車・建築・航空宇宙・医療機器に用いられる高度な部品に至るまで、幅広く支えています。

成形加工(鋳造・熱間/冷間圧延・プレス)や除去加工(CNC切削・研削・EDM放電)を技術別に解説。近年の自動化の進展にも触れつつ、多様な加工法と技術動向を網羅し、業界初心者から専門家まで役立つ入門ガイドです。

金属加工業とは?定義と市場について

この世界には様々な金属製品が存在しています。その用途は実に様々で普段目にする身近なものから、現代の便利で快適な生活を陰から支える機械部品や構造部品など多種多様です。

そんな金属製品にも当然ながら生産者がいます。本コラムでは金属加工業に広く焦点を当てて解説していきます。

金属加工業の役割と業界分類

金属加工業界は、製造業をはじめ修理や補修といった業界も含めると実に様々な業態があります。大きくは「金属加工業」「金属製品製造業(非鉄金属製造業含む)」「鉄鋼業」と言われることがあります。

主要用途:自動車・建築・航空宇宙・医療機器

主要な業界としては需要・生産量で自動車関連や建築関連がその代表と言えます。特に需要が高く、製品の種類も多いため、関連する事業者の裾野も広く、製造委託を行う中小企業なども数多く存在し、社会経済の中でも特に存在感を放っています。

日本の金属加工業市場規模と最新動向

経済産業省発表による「2020年⼯業統計表 産業別統計表データ」では⾦属製品業界の市場規模(製造品出荷額)は、15兆9,652億円、事業所数は2,5094、従業員数は、61万2,427人といったデータが出ています。

金属加工業は「ものつくり産業」とも呼ばれ、その範囲は広く、原材料となる鉄鋼製品に加え、自動車関連の製造業が含まれていることもあり、全体での市場規模は国内随一といえます。

一方で、中小規模の企業においては承継問題や生産性の問題などから淘汰も進んでいる業界でもあります。生産性向上のための機械化・自動化が今後注目されており、設備投資や技術開発が積極的に進められています。

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金属加工業の主な加工方法と技術

金属加工には業態や目的とする製品、サービスによって様々な機械が用いられており、その加工法や技術も様々です。ここではそれぞれの業界で用いられる加工法について解説していきます。

成形加工(変形加工)の種類

成形加工は特に「金属製品製造業」に関係しており、加工法は目的とする製品によって決められます。

 

鍛造加工:強度向上のメカニズム

鋳造という成形加工は様々な業態で用いられています。高温で溶かした金属を形状に合わせた空洞を持つ金型に流し込んで冷却することで成形する加工法です。食器などの鋳物(いもの)製品の製造にはもちろん、製鋼の際に溶けた鋼をビレットやスラブなどの鋼片に加工する際にも鋳造が用いられます。

 

圧延加工:板厚コントロールと用途

圧延加工は特に「鉄鋼業」に関係しており、「金属製品製造業」において製品を製造するために使用する”金属材料”の製造工程で行う工程になります。金属材料はその使用者である「金属製品製造業者」の手に渡るまで高炉を用いた製鉄から製鋼と様々な後工程を経て材料製品となっていきます。

特に圧延加工は材料製品の仕様や精度を出すために非常に重要です。鋳造によりスラブなど鋼片となった半製品に熱をかけながらロール状にする加工は「熱間圧延」と呼ばれ、そこでできたコイル状の半製品は”ホットコイル”と呼ばれます。そのホットコイルを常温でさらに圧延する加工を「冷間圧延」と呼びます。冷間圧延では板厚をさらに薄くするだけでなく、表面を美しく均一にすることができます。

このように板厚をコントロールすることで目的の用途に応じた製品材料に加工しています。

 

プレス加工:自動化技術と量産適用例

主に「金属製品製造業」に関係しており、特にプレス加工は量産加工に適しています。プレス加工には金型が必須ですが、単発金型、順送金型といった種類があり、設計を工夫することで様々な加工能力を持たせることができます。これによって工程の集約や精度の向上などを実現しています。

また、プレスマシン自体の性能や品質も日進月歩で進化しており、段取りを適切に行えば、後はオペレータがかかりきりになることなく自動で精度の高い加工が可能になってきています。

除去加工(切削・研削・放電)の特徴

除去加工は主に「金属加工業」、「金属製品製造業」に関係しています。非常に範囲の広い加工法で切削、研削、放電といった種類があります。

目的とする仕事や製品にもよりますが金属製品製造業では試作、金型製作や金型メンテナンスでよく用いられています。

 

切削加工(CNC)の最新事例

金属を切断したり、削ったりして目的の形状に成形する加工を指します。フライス、旋盤など様々な機械が存在しますが、昨今ではCNC(Computer Numerical Control)といって、数値制御により精密な加工が行えるマシニングセンタといった工作機械が重要な役割を占めています。

 

研削加工で求められる表面精度

切削に似ていますが、目的が若干異なり、研削加工では機械に取り付けた砥石によって材料の表面を削り取り、目的とする寸法精度に仕上げる加工を指します。

 

放電加工(EDM)の活用分野

非接触による金属加工の代表例として「放電加工」があります。金属加工を行う放電加工機はNC制御の工作機械で電極をセットして、電圧をかけることでワークとの間に熱を飛ばし、溶解することで加工します。熱処理をして硬度が高まった材料に対しても有効で、細い電極を用いて細穴加工なども可能です。特に精度が求められる金型などの製品、部品に対して用いられることが多いです。

付加・接合加工の代表技術

 

溶接技術の進化と品質管理

別々の金属同士を接合する加工として「溶接」があります。”アーク溶接”のように溶接棒と母材を溶かして接合する「融接」や摩擦や圧力、電流等で母材の方を溶かして接合する「圧接」。ろうなどの溶加材を用いた「ろう接」といった種類があり、接合する母材や求められる条件によって相応しい加工法が選択されます。
人の手によって行われるイメージもありますが、昨今では機械化による自動溶接の技術も進歩してきています。

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金属加工業における品質管理とコスト最適化

熱処理加工の重要性

熱処理は金属に対して、加熱し、冷却したりすることで硬さ、摩耗性、延性、靭性など様々な効果、影響を及ぼす加工です。「焼入れ」、「焼き戻し」、「焼きなまし」などの種類がありますが、ここでは「金属製品製造業」との関連性の高いテーマに言及していきます。

 

焼入れ・焼戻しで得られる材料特性

金属製品においてよく行う熱処理の一つが「焼入れ」、「焼き戻し」です。鋼材に加熱する「焼入れ」を行って”硬度”を上昇させ、その後に冷却する「焼き戻し」を行うことで”靭性”を付与できます。2つを順に行うことで、硬度の向上と加工性、機能性の向上といった品質に直結する効果が得られます。「焼き入れ」、「焼き戻し」は金型などの高耐久、高精度が求められる製品には特に不可欠な加工です。

 

焼なましによる加工性向上

「焼きなまし」は主に成形加工後の半製品に対して施される熱処理で、通常「テンパー」などとも呼称されることがあります。力を加えられて変形した金属製の半製品は元に戻ろうとする力(内部応力)を持っていますが、焼きなましを行うことでその内部応力を取り除き、その後の加工性や寸法精度の向上が期待できます。

特に”ばね製品”においてのスプリングバックの除去は製品の持つ特性からも非常に重要な工程になります。

 

特殊な熱処理 オーステンパー処理

炭素鋼系の特殊鋼製品によく用いられる熱処理に「オーステンパー処理」があります。鋼材組織の変態を伴う処理となっており、加工を行うことで”ベイナイト組織”になります。
科学的な話は割愛しますが「焼入れ」、「焼き戻し」で得られる組織より、延性や耐衝撃性が向上し、高い靭性を獲得することができます。
特に自動車などに使用される”薄板ばね”製品にとっては非常に有用で、求められる仕様によっては必須ともなる非常に付加価値の高い熱処理になります。

熱処理全体にいえることですが、熱処理炉を運用するためにはガスや電気といったエネルギーが必要であり、サイクルコストが大きな負担となります。そのため2直、3直での交代制で運用するなど極力、炉の火を落とさずに加工を続けることでコストの最適化を目指す努力が求められる工程でもあります。

表面処理技術による付加価値向上

めっきをはじめとする表面処理も金属加工業に取っては非常に重要な加工法になります。その効果は防錆はもちろん、装飾性、加工性の向上など様々です。それぞれに専用の設備や環境が必要なため、専門の業者が存在しています。中小規模の成形加工業者がメッキ加工設備を保有しているのは稀であると言えますが、内製化できればコストメリットも大きいと考えられます。

 

めっき:耐食性・導電性の付与方法

表面処理の代表ともいえるのが金属製品の表面に薄い金属の膜を作る「めっき処理」です。クロムやニッケル、金、銀、銅などその種類も豊富です。耐食性や導電性などを考慮し、求められる仕様に応じて加工します。
また、めっきとは微妙に異なりますが、表面に黒さび(四酸化鉄被膜)を作る”黒染め”も「金属製品製造業」においてはよく用いられる表面処理です。黒染めは寸法精度を維持しつつ、耐食性も付与できます。

 

塗装:装飾性・防錆性を両立させる塗装法

めっきと似ていますが、めっきが金属膜を作るのに対して、塗装は樹脂などの塗料を塗布する表面処理です。求める機能や外観に応じて塗布する塗料を選択します。防錆はもちろんですが、自動車の車体(ボディ)など人の目に付く外観部に施されることも多いため、装飾性を求めて行う処理でもあります。

 

研磨:光沢仕上げと機能性研磨の違い

研磨による光沢仕上げが表面粗さを取り除くことで主に”装飾性”を重視した工程である一方で、機能性研磨は摩耗性、耐久性など機能面での向上を目的として行います。

東邦発条では近年、鏡面加工装置として”エアロラップ”を導入しました。これを使用して金型部品の仕上げを行うことで加工製品の品質、加工性向上にも大きく役立っています。

金属加工業が直面する課題と今後の展望

人材不足・高齢化と事業承継の取り組み

金属加工業はその実務の特性から技術や経験が求められますが、技術の習得、承継は容易でなく、人材不足と高齢化が顕著な業界でもあります。また、多くの設備が必要なため、収益を挙げるには投資などのリスクの高い経営判断も必要となっており、技能だけでなく、事業継承も業界全体の大きな課題となっています。
金属加工業会には中小企業も多く、行政においても様々な取り組みは行われていますが、昨今ではM&Aによる事業の買収も活発に行われています。

DX/IoT導入によるスマートファクトリー化

生産性の向上は業界を問わず、現代社会の大きなテーマにもなっていますが、金属加工業においてもデジタル機器の活用によって設備の自動化、工場の高効率化といった様々な取り組みが行われています。

環境対応・カーボンニュートラル実現に向けた動き

大規模な工場を有する企業も多い金属加工業界では、環境への影響も無視できません。CO2排出量、産業廃棄物の削減など、環境へ配慮した様々な取り組みが行われています。

まとめ

金属加工業は、非常に裾野が広い業界で、それぞれの業界、企業で取り扱う製品やサービスが異なりますが、加工方法など共通点も非常に多いことがご理解いただけたと思います。

近年、国内では金属需要自体は減少傾向にあり、原価高騰や品質維持も課題となっています。しかし、「ものつくり」としての金属加工業の仕事はあらゆる場面で求められ続けています。

本コラムを通して金属加工業について知ることで、興味関心を持っていただければ幸いです。

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