金型設計とは、製品量産の要“金型”の2次元・3次元図面を、加工知識を持つ設計者がCADで制作する第一工程です。
本記事では、金型設計の老舗である、私たち東邦発条が機械設計との目的・範囲の違いや専用CADの活用ポイント、役割、工程概要、量産品質確保のポイントも解説していきます。
「金属加工で金型やパーツを作りたいけど、何を聞けばいいかわからない…「納期や価格はどうなんだろう…」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そのお悩み、私たち東邦発条に相談してみませんか?
昭和24年創業の東邦発条は、激動の時代を乗り越え、様々な金属加工製品を世に送り出してきました。
お取引先様も大手自動車メーカー様から町工場のお客様まで幅広いクライアントに対応してきた実績もあります。
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人々の生活を支える様々な製品を生み出す道具として”金型”の存在があります。そんな金型も人の手によって作られています。本項ではその第一工程としての”金型設計”に焦点を当てて解説していきます。
金型制作に向けた第一歩として主に必要な図面の制作を”金型設計”と呼びます。実際の加工を熟知した設計者が2次元や3次元のCADシステムを使って設計を行います。
金型の設計は機械設計とも趣の異なる点が複数存在します。特に異なるのは目的と範囲であると言えます。機械はある目的のために機械の構造や機能を設計するのに対して、金型は主に物を大量に加工するための道具として設計します。
製品を作るための道具ですので、特に板材を加工するプレス用金型の設計では製品を平面に展開した”展開図”の製作が大きな意味を持ちます。
また、機械の中にはプレス機械のように金型をセットして”金型を使用する機械”も存在しますのでそういった意味ではマクロ(機械設計)、ミクロ(金型設計)のような言い方もできるかもしれません。機械、金型でそれぞれ専用のCADシステムが用いられることが多いです。
我が国には、非常に多くの製造業者が存在し、その多くが製品の量産に金型を使用しています。1点2点の試作品製作ならともかく、人々の手に渡る製品の多くは大量生産されたものであり、金型無くしては実現できません。
金型は製造業にとってはなくてはならない非常に重要な道具であると言えるでしょう。
金型では、製品を同じ形状を同じ寸法で大量生産可能であることが非常に重要です。そのためには何千、何万と繰り返される加工の中でも高い再現性を維持する安定性、堅牢さが求められます。
金型に設計者の設計思想によってその加工方法のバリエーションも様々です。例えば1回のプレスで1つの加工しかできない単発金型の他にも”順送金型”という大型の機械プレス用金型があります。
これは工程箇所(ステージ)が金型の内部に複数設けてあり、前のステージで加工済みの材料を次のステージに順々に送り、ステージ全てを通過させることで構造上、それ以降は1回のプレスで複数の加工を終えることができる仕組みになっています。
このように人の手だけでは難しい複数箇所の同時加工といった効率的な生産を行えるのも金型の大きな特徴です。また、そのためには様々な課題をクリアして設計することが非常に重要になります。
金型は大量生産を前提としたものをつくる道具です。製造する製品の品質の一貫性は非常に重要です。繰り返される加工に耐えうる金型の構造、用いる材質の選定など課題は多くあります。これらの課題に設計段階から向き合うことで長く安定した加工が可能な金型を製作することができます。
金型には見た目以上に多くのパーツが使用されており、規格品として入手可能な部品もあれば、できないものもあります。規格品として購入することができない場合は工作機械などを使って自ら製作することもあります。
そして金型の組み上げにも人の手がかかります。金型製作全体のコストを抑えるといった視点で設計を行うのも金型設計者にとっては重要な仕事といえます。
金型は実に様々な製品の製作に用いられます。自動車部品や情報機器、電子機器など汎用性の高い金属製品をはじめ、プラスチック製品、ゴム製品、ガラス製品など、様々で設計においてもそれぞれ異なる技術や経験が求められます。
「金属加工で金型やパーツを作りたいけど、何を聞けばいいかわからない…「納期や価格はどうなんだろう…」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そのお悩み、私たち東邦発条に相談してみませんか?
昭和24年創業の東邦発条は、激動の時代を乗り越え、様々な金属加工製品を世に送り出してきました。
お取引先様も大手自動車メーカー様から町工場のお客様まで幅広いクライアントに対応してきた実績もあります。
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金型は大きくは塊の材料を加工する目的の”ダイ”グループ、溶かした材料や粉末材料を加工することを目的とした”モールド”グループに分けられます。それぞれの用途に応じて、プレス型、鋳造型、プラスチック射出成型などいくつかの種類があります。
その中でもここでは金属板材を目的とするダイグループの金型であるプレス金型、フォーミング金型に焦点を当てています。
プレス用の金型は、ダイグループの金型の代表格です。プレス加工では、1回の加工で成形が終わることは稀で、多くの場合は複数回の加工が必要です。そのため1型1工程の単発型より、製品を金型の中で順に送ることで複数工程の連続加工を可能にする「順送プレス用金型」が重宝されています。
順送プレス用金型は工程箇所(ステージ)が金型の内部に複数設けてあり、前のステージで加工済みの材料を次のステージに順々に送り、最後のステージでの加工を終えると構造上、それ以降は1回のプレスで複数の加工を完了できる仕組みになっているプレス用金型です。
複数の工程箇所を一つの金型に内含しているため大型になり、その分製作にかかる費用は単発の金型と比較すると高額になります。
順送プレス金型は板材を加工して製作する様々な製品に利用されており、特に寸法精度や必要な自動車の重要保安部品などを高精度、高効率で製造する上ではなくてはならない金型です。
プレス用の金型と同様にダイグループに分類され、マルチフォーミングマシンに取付けて使用されます。
マルチフォーミングマシンはスタンピング(プレス)装置、材料のフィード(送り)装置、フォーミング装置のなどの複数の装置が連なって構成されており、材料送りを制御しつつ、ワーク(材料、加工対象)に対して抜き加工や上下左右からの曲げ加工といった加工をシームレスに行うことができます。
フォーミング金型はプレス型が上型、下型、ガイドといった要素からまとまって1つの金型として形作られているのに対して、フォーミングマシンの各装置(ユニット)にスタンピング型やベンディングスライド、芯がねといったそれぞれのパーツで構成されており、一式を合わせてフォーミング金型と呼びます。
取り付け箇所が複数あるため、段取り(金型取付から加工開始までの準備)にも時間と手間が必要になりますが、順送プレス金型などと比較すると質量は小さく、費用も抑えられる傾向にあります。
あらゆる金属製品の加工に用いられますが、板だけでなく線材にも使用でき、曲げ加工の自由度の高さ、カーリング加工の強みを活かして、ブラシバネやリング、剥離加工を含めたモーター用セグメントコイルなど形状も多種多様な製品の製作に用いられています。
金型には大きく分けると”塊”の材料を加工することを目的とした”ダイ”グループ”と溶かした材料や粉末材料”を加工することを目的とした”モールド”グループに分けられます。それぞれの用途に応じて、プレス型、鋳造型、プラスチック射出成型などいくつかの種類があります。
その中でもここでは金属板材の加工を目的とする”ダイ”グループのプレス用金型、フォーミング用金型に焦点を当てていきます。
順送プレス用金型
単発のプレス金型では1型工程なのに対して、順送プレス金型では複数加工が可能です。工程箇所(ステージ)を金型の内部に複数設けるため、完成までには多くの工数と時間がかかります。
金型の各ステージでは加工途中の製品が材料に繋がれた状態で加工を続けていく必要があり、加工上の制約が多くあります。特に材料と繋がれた製品をどのステージでどのように扱うのかを決める”ストリップレイアウト図”の作成には細心の注意が求められます。プレス金型の設計の中では最も設計が難しい金型です。
プレス用金型とは異なり、形状的、スペース的な制約は少ないですが、加工もマシンプレスのピストン運動のように単純ではなく、180度あらゆる方向から複雑で自由度の高い加工が可能なため、それ故にどのような方法、手順で加工するのかを設計段階から考える必要があります。
金型を構成する部品もプレス型のように画一的な形状ではなく、各装置に必要なパーツをそれぞれ製作しなければならず、経験と発想力が特に求められる金型です。
フォーミング金型の設計には加工のオペレーションといった現場での製造経験はもちろん、豊かな発想力が非常に重要です。工夫次第ではプレス加工による材料歩留の問題を解消し、材料コストを抑えた製造が行えるためコスト低減メリットを見出すことも可能です。
厚生労働省が実施する技能検定制度に基づく国家資格です。様々な工作機械を取り扱うための能力が必要で、経験と技術が求められます。受験資格として1級は7年以上、2級は2年以上の実務経験が必要となります。
設計、製図業務に求められるCADスキルを証明する民間資格です。
この記事では、製品を大量生産するための「金型設計」について、その役割と機械設計との違いについて解説しました。
金型設計は、加工ノウハウを持つ設計者が2次元・3次元CADシステムで金型の図面を作成する工程であり、製品の歩留まり向上やコスト削減を実現する重要な第一ステップです。
我々、東邦発条は幅広いお客様に対応した金属加工や複雑なプレス加工の技術を持った企業です。
他社様ではご対応を断られたご依頼であっても真摯に向き合い、解決策を導いていきます。
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参考文献 :
吉田弘美『よくわかる金型のできるまで』日刊工業新聞社